やけに汗をかくのだ。
ステージ上ではいつも汗をかく。
これは季節をまったく問わないが、
それにしてもこのところまた特に汗をかく。
今日はさらに格別に。
とまあ、これも正確には昨夜ではあるが。
そんなわけでタオルは欠かせないのだが、
第3ステージが終わったあと、顔を拭いてからタオルを見ると、
なんと血がついてるじゃあございやせんか!
なんじゃこりゃあ!!!(松田優作風)
まさか連夜の流血かとちょいビビりながら鏡を見るが、
どうもその原因が見つからない。
顔しか拭いてないのに、顔のどこを探してみても、
小さな傷ひとつ見つけられないので、
これはかなり不可解なナゾとして僕の脳に刻まれた。
しかし迷宮入りさせるには、かなり気持ち悪いぞ。
そう思ってから数十秒後、右頬の下あたりが妙にむず痒くなってきた。
鏡を見ても触ってみても何もないが、明らかに変だ。
気にしつつ楽屋で読みかけの本を読んで数分後、
鏡を見たらなんと、
むず痒かったところが赤く腫れ上がっているじゃああーりませんか。
僕の推理(というほどのものじゃあござんせんが)では、
タオルで顔を拭く瞬間に僕の顔には蚊が一匹おり、
僕はそれをタオルと顔ではさんで潰したようだった。
しかしなんちゅう間の悪い虫さんだろうか。
タオルには血はついていたが、蚊の死骸はなかった。
きっと下に落ち、人知れず踏んづけられて、
床板にすり込まれたのかも知れない。
おお、哀れな奴よ。
蚊には生まれ変わりたくないものじゃ。
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